飲む日焼け止めってどうなんですか?
2018年03月14日

飲む日焼け止めってどうなんですか?

春です。と言いたいけど今日から急に初夏です。
まだ厚手のコートとウールの服しかかかってないクローゼットの前で、
今朝は一瞬立ち尽くしてしまいました・・・。
早く春服ださなくっちゃ。いやもう夏服でいいかしら?
去年の今頃って何着てたんだろうと毎年思うのは私だけでしょうか?
「細胞のデトックス Sarah」代表の藤山 恭子です。

この季節になると、毎年この業界の話題は「紫外線」。
そんな中、先日あるお客様から
「飲む日焼け止めってどうなんですか?」
と聞かれました。
お恥ずかしい話、私全く興味が無かったので、世間でこんなに話題になってるって知らなかったんです・・。
なので、こういった質問大歓迎。
良い勉強になります。


*あくまでイメージです。

そして私なりの結論。
サプリメントとして売られている「日焼け止めサプリ」の効果と安全性には疑問があります
です。

では、その根拠をお話しましょう。

まず「日焼け止め」という言葉で何を連想されますか?
当たり前の事ですが、「日焼け止め」というからには世で言うSPFとかPAとか、いわゆる紫外線のUV-A,UV-Bを遮断してくれて日焼けを防ぐ効果を連想しますよね?ね?

「飲む日焼け止め」として売られているサプリの宣伝文句として
「塗り忘れ、汗や雨の心配なし」
「太陽に負けないサプリ」
「汗をかいてもO.K.」
「クレンジング不要!」
とまるで日焼け止めは塗らなくっても大丈夫!!!みたいな宣伝文句が並んでいます。
*別の意味で普通は日焼け止めいらないけど・・・。話がややこしくなるので、それはまた次回。

でもサプリメントは飲むことで血液には浸透しますが、皮膚に浸透して紫外線を防御してくれるなんて事はしません。それが出来たらきっとノーベル賞ものです。
なんて簡単に否定したら怒られますよね。色んなメーカーさんが必死になって真剣に研究して作られた物なので。

ではきちんとその根拠をお伝えします。
まず市販のSPFやPAと言った「日焼け止め効果」は無いとしか言わざるをえません

SPFは紫外線の中でもUV-Bを防御する目安として使われます。
市販の日焼け止め効果を謳った化粧品には必ず表記されています。SPF15とか最近は50とか・・。
このSPFってどの様に算出されるかって以外と知らないですよね?

塗る日焼け止めのSPFの計測方法は、次のようにして行います。
まず、下の絵の様に人の背中6か所それぞれに、UV-Bを6段階以上の強さで照射します。16~24時間後に、照射した箇所が赤くなっていないかどうかを見ます。赤くなっているところがあれば、その赤くなっている部分に当てた紫外線量の中で、最も小さい数値を「MED(最小紅斑量:赤みを起こすのに必要な最小の紫外線照射量)」として記録します。
つまり人それぞれ肌の強さが違うので、その方の肌の強さを測るわけですね。
この図では、紫外線量1.25以上で皮膚が赤くなっているため、MEDは1.25です。

次に、計測する日焼け止めを塗った状態でUV-Bを照射し、同様に24時間後に少しでも赤くなっている部分の最小の紫外線量を記録します。下の図では、22以上で赤くなっているため、MEDは22です。

 

SPFは、日焼け止めを塗った部分のMED÷何も塗らなかった部分のMEDで計算されます。上記の例では、22÷1.25=17.6となり、SPFは17.6です。上記の数値は一例で、MEDは一人ひとりの肌の性質によって異なるため、実際には10名以上で行い、その平均値で算出されます。その算出された数値が市販されている日焼け止め化粧品のSPF表示となるわけです。

さて、そこで問題の「飲む日焼け止めサプリ」です。
ある「日焼け止めサプリ」の広告で「ニュートロックスサンを飲むと、紫外線予防効果は57日で34%、85日で56%の効果」と書かれた物が出てきます。
その根拠が下の原材料メーカーが出している実験結果。

ここが数字のマジック!です。マジックです。マジックです。マジックです。(しつこい)
この表は被験者が1ヶ月毎日飲んで57日(約2ヶ月)でMEDが34%。85日(約3ヶ月)で56%の増加を示しています。実験結果なので、この数値に間違いはないと思われます。しかし、MEDの増加ですよ?この意味解ります?

塗る日焼け止めの場合、SPF30の日焼け止めを塗ると、塗った瞬間からMEDは1.25→37.5へ、300%増加します。

それに対して、ニュートロックスサンを2ヶ月間毎日飲んで、34%の増加、3ヶ月間毎日飲んで56%の増加です。
つまり、飲む日焼け止めの数値は、MEDが1.25が56%増加して1,95になったという計算になります。現行のSPFで測定するとSPFは2にも満たないことになります。3ヶ月間毎日飲んで、ですよ。
それをあたかも紫外線防止効果が30%とか50%以上あがるように表記するってどうなのよ!って消費者を馬鹿にしているとしか思えない・・・。皆さんメーカーの言う事鵜呑みにしすぎ!

まずは広告の宣伝文句を早合点して、今日は海に行くから、山に行くから日焼け止めサプリ飲んで行こう!なんて絶対に意味ないですからね。
「日焼け止めサプリ」を飲んでも日焼けはします。当たり前ですが。

私もメーカー側なので「薬機法」には泣かされますが、こう言った完全に誤解を招くネーミングや広告はどうかと思う・・・。

確かに「良心的」なサイトでは「日焼け防止効果」はないので塗る日焼け止めと併用するのが正解と書いてあるのもあります。
では、日焼け防止効果のない「日焼け止めサプリ」にその他の効果は何でしょう?
という事で、長くなるので次回に続きます。

今回のおまけ

最近暖かくなったのでご機嫌で日光浴しています。
(顔が渋いのは生まれつきです。決して機嫌が悪いわけじゃない)
いいな~日焼け気にしなくていいもんね。

 

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