最近のトレンド。幹細胞コスメって効果あるの?
2018年10月27日

最近のトレンド。幹細胞コスメって効果あるの?

過日、テレビを見ていたら「息子になって欲しい男性モデル」(?だったと思います。うろ覚え・・)の上位3名はタレントさんでしたが、4位がIPS細胞の山中教授でした。
「山中教授が1位やろ!」と突っ込みながら見てました。
「細胞のデトックス Sarah」代表の藤山 咲衣です。

そうです。今日はIPS細胞のお話です。
というのは嘘ですが、最近話題が乏しい美容業界で一番のトレンド「幹細胞コスメ」です。各メーカー(大手を除く)がこぞって新製品を出し、今年のBeauty Worldもほぼほぼ「幹細胞祭り」でした。
今回は、この「幹細胞化粧品」についてまとめてみました。

「幹細胞って何?」という方に復習です。
山中教授が作製に成功したIPS細胞も「幹細胞」の一種です。
幹細胞とは平たく言うと、細胞を作る細胞です。(そのままやん)
幹細胞には、どんな細胞にもなれる「胚性幹細胞」と一定の細胞にしかなれない「成体幹細胞」があります。
IPS細胞は人工的に作られた「胚性幹細胞」であり、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力と、ほぼ無限に増殖する能力を持つことから今後の再生医療の救世主として注目を浴びています。


*写真はイメージです

 

美容の世界は常に医療からの流用でなりたっています。
この再生医療の流れが当然、美容の世界にも押し寄せてきました。

いわゆる「幹細胞コスメ」が最初に登場したのはもう10年以上前で、フランスです。
もともと「アマトキン」という「ヒト幹細胞抽出エキス」を使った火傷の治療薬を化粧品として流用したのが始まりだそうです。その後各国の化粧品メーカーがこぞって研究をスタートしましたが、圧倒的に韓国メーカーが多いようです。

ただ、ここで注意して欲しいのは「幹細胞コスメ」と言っても「幹細胞」が入っているわけではありません
いかにも「幹細胞が貴女の肌を新しく再生します!」みたいな宣伝を見る事がありますが、そんな事はありえません。だって医療の分野でも再生医療はまだまだ研究途上で成功事例がないのに、化粧品レヴェルでそれが実現するわけがありません。
プラス、幹細胞は生きた細胞なので化粧品に入れるとすぐに死んでしまいますし、そうすると幹細胞の分裂、再生能力も失われてしまいます。それだけでなく、細胞は死ぬ際に毒物を排出するので、生きた細胞は化粧品に入れることは出来ません

*セルソース様のLPからお借りしました。完全に細胞が入っていると勘違いしそうなLP。

な~んだ。じゃ幹細胞コスメってニセモノ?
という訳ではなくこれこそが、あえて消費者に誤解を招く様な表現で販売する化粧品会社の「戦略」です。
「幹細胞コスメ」と謳われている化粧品に配合されているのは、「幹細胞培養液」です。
幹細胞を培養する際に幹細胞から様々な成分が排出されます。その中にはコラーゲンやエラスチン、EGFなのど成長因子などが入っていることが解り、そこから抽出した成分をそのまま入れたり、遺伝子工学技術で組み替えて化粧品に入れたりしています。

では、この幹細胞培養液って効果あるの
が知りたいですよね。

正直言って、実体験としては「解りません」。だって使ったこと無いもの
(使って報告しろ!という突っ込みはご遠慮します。色んな方が使用感を書いているので、そちらを参照して下さい。但し、善意の第三者とは限りませんが・・・。)

ただ、様々な原材料メーカーがこぞって研究し、データーとしては効果が出ているのは事実の様です。

*エイチ・ホルスタイン株式会社(化粧品原材料メーカー)さまのHPよりお借り

但し、ここで問題になるのが「幹細胞培養液」の

1.種類

2.安全性

3.含有量

の3つです。

まず最初の「種類」ですが、一言で「幹細胞培養液」と言ってもその原材料は、「植物由来のもの」「ヒト由来のもの」があります。
*「動物由来(羊)のもの」もありますが、日本ではほぼ流通していない様なのでここでは触れません。
「植物由来のもの」はりんごや化粧品としてもおなじみのアルガンツリーの幹細胞から作られています。
ヒト由来の「幹細胞培養液」も実は二種類あって、「ヒト脂肪由来」と「ヒト線維芽細胞由来」があります。

まず、どれが良いの?はそれぞれに使っているメーカーなりの主張があります。「ヒト由来」を推奨しているメーカーでは人と植物ではレセプターが違うので、植物では意味がないと主張しています。
が、植物由来の「幹細胞培養液」特にりんご由来の物には様々な有効データーが出ています。(多くはパレット上の実験ですが)その主張は、抗酸化作用が強く、ヒト由来より安全というものです。

確かに培養液の成分のほとんどが成長因子である事を考えると、レセプターの存在は無視できません。単純に比較するとヒト由来の方が効果が高いと思われます。
植物由来を選択するのであれば、植物由来の他の化粧品と幹細胞エキスとの効果の違いと価格(要するにコスパ)を考えて比較しないと意味がない様に思います。
一方で「ヒト幹細胞由来」の物は今までの化粧品業界では全くなかったジャンルですから、今後その効果と安全性、そして価格とのバランスが課題となります。


*写真はイメージです。

一番の問題はその安全性です。
もちろん、植物由来であれ、ヒト由来であれ幹細胞培養液を作るにあたっては、かなりの安全性が求められます。特にヒト由来の場合、ドナーとなる「ヒト」がいるわけですから、その方がウィルスや細菌に感染していないか等の適合検査はもちろん、製造過程そのものにも医療品並みのクリーンルームが求められます。
原材料メーカーによっては、かなり厳しく検査し、作っているメーカーもある様です。

ですが、ここで問題が二つ。
一つは、消費者からは購入しようと思う化粧品がどの原材料メーカーで作られた「幹細胞培養液」が採用されているのかが全く見えないという事。
二つめが、いくら「幹細胞エキス」が優秀でも通常の化粧品の様に角質までの浸透ではその効果は期待出来ないとい事。それを避ける為に、リポゾーム化して浸透化させているケースもある様ですが、この時に問題になるのは同時に配合されている成分の安全性です

「幹細胞培養液」はほぼほぼタンパク質です。たんぱく質はそのまま放置すると腐ります。「プラセンタエキス」と同様でかなりな量の防腐剤を投入しないと品質を維持できないと思われます。
せっかく有効成分が良くても、同時に多量のケミカル成分、しかも防腐剤等を肌に塗り続けて安全なのか?という疑問が残ります。ましてやそれを、浸透しやすくしているとしたら・・・。
そして、私が一番の疑問に思ったのは、「幹細胞コスメ」でありながら防腐剤無添加を堂々と謳っているメーカーがある事です。ですが、何を見てもネット上には原材料が一切公表されていないので、その真偽は判断出来ません。(買えってことね)何で化粧品メーカーって原材料を公表しないのでしょう?

そして最後が含有量。原材料メーカーによって推奨配合濃度が違います。1%のメーカーもあれば30%のところもあります。化粧品の大きな問題は、たったの0.02%配合しても「〇〇配合!」といかにも効果ありそうに宣伝出来てしまう事です。

結論として、幹細胞培養液配合の化粧品が安全で効果があるかどうかは、
原材料メーカーが安全で信頼出来るメーカーか?
付属して添加されている成分が安全かどうか?
原材料メーカーの指定含有量が守られているかどうか?
(原材料メーカーは化粧品メーカーがどう作ろうが基本文句は言えません)
まで把握しないと「効果がありますよ」とは言えません。
しかも、私が見ている限り安全と思われる原材料メーカーの物は、かなり高額です。メーカーが主張するだけの検査と設備を備えていたら、決して安くは出来ないはずなので、当然ですね。
(逆を言えば安い幹細胞コスメは疑った方が良い?)

化粧品会社が売上を伸ばしてゆくためには、消費者の「気を引く」新しい素材と話題が必要です。その為に今までも新たな成分が「開発」され、もてはやされてきました。
今回の「幹細胞培養液」は、その一環でもありますが、今までと違うのは(化粧品会社が主張している事を信じるならばという前提ですが)肌へのアプローチの仕方が全く違うという事です。正直、「幹細胞培養液」が目指す事と、Sarahが目指す事は同じです。
それは肌が不足する物を補うという従来の化粧品のスタンスではなく、細胞そのものの活性

 

参考までに。弊社が採用している「バチルス発酵物」を使用して、約3週間のBeforeAfter。
何も安全性が確認出来ていない「幹細胞コスメ」でなくても、安藤先生の技術で出来るよね!が今の私の感想です。
そして、弊社の場合はHPを見て頂いたら、全ての原材料を公開しています。是非確認してみて下さいね。(ちょっと嫌み)

最後は宣伝になってしまいましたが、「幹細胞培養液」は今後も医療のあたらな展開を担ってゆくのと同じように、美容の世界でも新しいメソッドとして定着して進化してゆくと思います。
今後もその動向には注目してゆきたいアイテムのひとつではあります。

 

今回のおまけ


公園でおやつをもらう市の助。
この時だけは突進して行きます・・・。

株式会社ラナ
TEL: 0743-61-5276
Mail: sarah.cosme.jp@gmail.com
サロンRanaのHP
https://rana-detoxsalon.com/

SarahのHP
https://sarah-bihada.com/